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光線療法の歴史・変遷

History / transition of phototherapy

人類は有史以来、太陽光を保健や治療の目的に応用してきましたが、太陽光のもつ作用に注目し、初めて日光療法として、医療の場に取り入れたのは、医聖ヒポクラテス(460-375BC)です。

Hippocrates

人工光線を放射する光線治療器は、1893年にニールス・フィンゼンにより考案されましたが、彼はこれを用いて、従来不治の病とされていた皮膚結核(尋常性狼瘡)の治療に成功し、1903年ノーベル医学生理学賞を授与されています。

Niels R. Finsen

光線療法は、この原理を元に開発された光線治療器を用いて、個体の自然治癒力を高めて病気を治すための治療法で、適応症が極めて多岐にわたることが特徴です。

日本においては、1932年(昭和7年)に宇都宮義真が東京光線療法研究所の前進となる事業を開始し、多くの患者の治療にあたりました。

宇都宮義真が光線療法に注いだ熱い想いが込められた当時の手記を公開しております。

宇都宮義真

宇都宮義真の活動が光線療法の草分け的な存在となり、光線療法を病気で悩みを抱える方に対し、一人でも多く健康な生活を取り戻して欲しいとの想いを実現すべく、現在の光線療法普及協会の前進となった「サナモア光線協会」が1934年に宇都宮義真によって設立されました。

「サナモア」とは、宇都宮義真が

「Sanatory」(サナトリー:健康に良い、病を癒す)

「More」(モアー:一層)

の2つの単語をくみあわせ、人々の更なる健康に願いを込めて作られた造語です。

 

サナモア光線協会は、この言葉通り、病気でつらい思いをしている方々が、副作用もなく体にやさしい安全な光線療法で、健康を取りもどしていただきたいと願いを込め、独自の治療法「サナモア光線療法」の普及活動を開始しました。

活動方針

1932年(昭和7年)、宇都宮義真が自身の長男の病気(脳性小児麻痺)の治療のために出会った光線療法は、現在の治療器を用いた光線療法の礎となっています。

 

当時より、光線療法は様々な病気やケガを『治療』することが主な目的として使われており、多くの人々を苦痛から開放してきました。

 

光線療法は、副作用もなく、体に優しく、安全であるということもあり、病気やケガの『治療』だけでなく、自然治癒力の向上や健康維持・促進にも人々の関心が高まることとなりました。

 

その為、病気やケガを『予防』を目的とした提案も行い、治療院だけでなく、ご自宅でも安全で効果的に光線療法をより身近なものとしてご使用いただけるように努めております。

 

現在は、病気やケガの治療・予防からさらに

  • アスリートの体のメンテナンス・パフォーマンスの向上を目的とした使用

  • 家族の一員でもあるペットへの使用

  • エステサロンなど美容を目的とした使用

など、その使用領域がさらに広がって来ております。

 

我々は、従来の使用方法にとらわれることなく、光線療法の新たな発展の可能性と領域への進出により、一人でも多くの人々の健康と発展の支えとなるための活動を行っていきます。

普及活動

1934年(昭和9年)から開始された普及活動として、積極的にサナモア光線療法の治療師の養成事業を行い、多くの治療師を排出しました。

​これにより、サナモア光線療法による治療を受けることができる治療所が日本各地に広がりました。

この養成事業は現在も継続して行われており、新たにサナモア光線療法を習得したいと希望される方やに対する養成講座や、最新の光線療法に関する治験例などの情報を共有するために機関紙の発行・講演など活動の幅を広げています。

​進化する治療器

光線治療器は太陽光を治療に取り入れることが根本の概念としてあります。

その為、初期の治療器は大きなレンズで自然太陽光線を集光して行う治療でした。

人工的な光を用いた光線療法は、街路灯(カーボン灯)の側にある背の高い街路樹の葉が、街路灯の近くのみ残っている状態を見たことが着想のきっかけになったと言われています。

カーボンを用いた光線治療器は、時間や天候の影響を受けることなく、安定して治療に使用できるようになったため、光線療法の革命的発明となりました。

現在は、より安全に配慮した医療用カーボン(サナモアカーボン)の高品質化、カーボンの形成技術の向上による無駄なく連続使用を可能としたジョイントカーボン、均一な照射量と照射時間を管理できる制御プログラムを搭載した治療器の開発など、より身近に、より人体と環境を意識した製品へと進化し続けています。

初期の治療器は操作部も大きく、治療院で施術を受けるものだった

操作部がかなりコンパクトになり一般家庭にも広まり始める。

東京光線メディカル社製の「はつらつさん」初号機

操作部がコンパクトになったものの、まだまだ大きく、一般家庭向きではないサイズ

東京光線メディカル社製の「全自動 はつらつさん」

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